| うましもの探訪 |
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| Vol.1 食卓に添えたい一品 ―京に伝わる 月々のおかず― |
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京都では昔から決まった日にいただくおかずがいくつかあります。最近は知っていてもつくらない中高年の方が増え、次世代にこういう風習が伝わりにくいようです。私は子どものころからずっと食べてきたものですし、決まった日以外でも身体によいので普段からよくつくるおかずです。
お赤飯は入学式や改まったお祝いの時にいただきますが、「小豆ごはん」は、毎月お朔日(一日)や、家族のお誕生日などにもいただきます。「あらめの炊いたん」は八のつく日、「きらず」は三十一日にいただきます。きらず、とはおからのことで、栄養的によいものですが、月末(きわの日)にいただくことで、この月のご縁が来月も切れませんようにというお商売上の願いも込められてきました。どれも先人の知恵で、いろんな意味やいわれ、効用があって食べられてきたものです。余談ですが、わたしらは「切腹せえへん(豆の皮が割れない)お豆さん」として大納言小豆を使いますが、これはお公家さんは武士のように切腹はしないので、大納言(お公家さん)と呼ばれるそうです。
「食べんなんもん(食べなくてはいけないもの)」が決まっていると窮屈だという人もおられますが、逆に決まっていると、身体によいものを一カ月に最低数回食べるので、健康的にとても理にかなった習慣だと私は思います。海草のあらめはヨードがあり、ビタミンも摂取でき、さらにおあげさんと炊くので植物性タンパク、脂肪もあり身体によいものばかりです。おからや小豆は大豆製品ですから栄養が豊富なのは当然ですし、きらずにはお野菜などいろいろな具を入れるので栄養バランスもとれます。
このように、京都には親から子へと、普段の暮らしの中で伝えられてきた素晴らしい知恵がたくさんあることを、もう一度大切にしてほしいですね。 |
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毎月お朔日(一日)や、家族のお誕生日などにもいただく「小豆ごはん」。京都では「あずのごはん」などと呼んだりもします。赤飯と間違えられますが、餅米ではないので、日常の食卓に気軽に出されるものです。 |
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| 月に3度は8のつく日がある。あらめは海草で身体によいことから、適度な間隔でこういう身体にええもんを取り入れることは、昔の人の知恵だったのではないかと思われる。ひじきと間違えられやすいが、あらめはひじきのように濃い味付けにしなくても生臭さがないので食べやすい。 |
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月最後の日にいただくきらずは、月末で財布も寂しいからこのような安くておいしく工夫されたおかずとして重宝されたのかもしれない。おからは「たく」といわず「いる」と表現するのもお金が入るという由縁かも。 |
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| お話と料理/今井貴美子さん |
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| 生まれも育ちも生粋の京都人。上七軒お茶屋の女将であり、京都の昔ながらの生活文化を伝える貴重な継承者として各分野で活躍中。
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