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清水 菁花
京都生まれ。書家。NHKラジオリポーターや講演会などでも活躍。きもの愛好家代表、日本ペンクラブ会員など肩書き多数。現在、東京・赤坂の京都館で書道の指導を通じて京都の文化も伝える。 |
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| 菁花のおやかまっさん |
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| Vol 3. 京の口きき |
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「京都は仕事がしにくい」とよくいわれる。
A氏が、Bさんを知るCさんに、「実はBさんに仕事の依頼をしているのですが、まだ返事がいただけない。考えときますわ、だけで・・・」と嘆く。後日、Bさんから「Cさんとお知り合いやったとか。いやあ、そんなんちっとも知りませんで、失礼しましたなあ」とかなんとかで、交渉は進む。CさんがBさんに「うち(C)は、Aさんを存じてます。しっかりしたお人どすわ」と一言伝えたので、Bさんは信頼感を得て、ビジネス成立は別として、応じてはくれた。こんなケースはままある。A氏とBさんは薄いつながりでも、A氏とBさんの共通知人であるCさんが入ることで、ぐっとA氏とBさんは同格になる。
A氏は面倒でもまずCさんに、「Bさんにちょっとご紹介いただけませんか」と頭を下げておけば、すんなり事は進んだのだ。これを京都では『口きき』といって、直接、相手のなかへ入らないのが昔から心得として底辺にある。
難しいのはこの誰と誰がつながっているかの見極め方。京都では人間関係をよく判断するところに頭を使わねば。そのためには、A氏は常日頃から周囲の人と上手に付き合い、ネットワークを築いていくことが、京都でうまく物ごとを展開するコツのひとつといえる。
これは「一見さんお断り」にも少し似たところがあって、これはけっして「いけず(いじわる)」ではない。それぞれの関係がうまくゆくように聞き合わせをし、お願いすることは信頼があってのこと。
いきなり相手の懐に入るという無粋なことをしない京都人は、口ききなどで、ワンクッションおき、お互いが気遣い、人の輪が広がることをよしとする。
最近は、パソコンのメール一本で互いに顔を見ずに事が運ぶ時代やけど、少し回り道をしてでも、信頼ある関係性を大切にするのが、京都にはまだ残っている。それが千二百年の歴史あるまちを支えてきたのやと思う。
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