トップページ菁花のおやかまっさん
清水 菁花
京都生まれ。書家。NHKラジオリポーターや講演会などでも活躍。きもの愛好家代表、日本ペンクラブ会員など肩書き多数。現在、東京・赤坂の京都館で書道の指導を通じて京都の文化も伝える。
Vol 8.  五十而知天命
Vol 7.  であいに竹紙あり
Vol 6.  月の光に こころ癒されて
Vol 5.  書家として
Vol 4.  京都人のいけず考
Vol 3.  京の口きき
Vol 2.  もっと着物を楽しんで!
Vol 1.  ほんまもんを伝えきれてへん京都
菁花のおやかまっさん
Vol 2. もっと着物を楽しんで!
 いま着物ブーム。若い人がレトロファッションとして、大正や昭和初期の着物をいま風にうまいこと着こなして歩いてはる。ええ傾向やけど、だらしなく見える着こなしもある。着物は直線裁ちの直線縫いなので、着た時にその線の美しさが際だち、やわらかい雰囲気の中にきりりとしたものが存在するけど、ときどきおしゃれと称して若い女性が、曲線の多い装飾品をじゃらじゃらとつけてる。直線の美しさにその装飾品が目立ち、きりりとじゃらじゃらが喧嘩してしまっている。せめて装飾品は一つ、二つにしてほしいなあと、私なりに妥協する(基本的に装飾品なんて嫌い)。
 着物大好き人間の一人である私も、レトロは賛成。自分なりに工夫して取り入れている。例えば、私の母や祖母の着物は五十〜八十年の月日が流れ、西陣お召し、紬、銘仙などなどぎょうさんあるけど、生地が弱って、引っ張ると裂けたりする。私は仕事用として、腰から下の部分は切って、袖は元禄の小袖風に仕立て直す。もったいないという人もいるけど、着ぃひんかったら、なおさらもったいない。半幅帯をさらに半分にした幅のものをベルト代わりにしめる。下はスパッツやパンツ風にすると、書の作業着にちょうどええ。おかげで親の思い出の品を、いつも気軽に身につけて、人から「おしゃれですね」といわれ、一人ほくそ笑む。
 また天神さんの市で裏地がおしゃれな男物の羽織を見つけ、粘って、ねぎって?購入。さっそく、裏地が表になるようひっくり返して仕立ててもらい、作務衣風にセーターの上からはおり、下はパンツ。しゃれた草履をはいてコンサートに出かけたら、だれもが振り向く、振り向く。
 着物はあくまでも正しく、が身上だが、こんなふうに粋なおしゃれ遊びもできるところが魅力的。そしてこんな着方を助けてくれる人や店が、京都にはまだまだある。温故知新。外見の形はくずしても、使っているものや、人間の中身はほんまもんでありたい。

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