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松尾 弘子
1935年上海生まれ。
同志社大学文学部卒業後、西陣織産地の月刊PR誌「西陣グラフ」の編集に35年携わる。
日本写真芸術協会学会会員、
京都デザイン協会会員。
’97年京都府あけぼの賞受賞。
出版物に「西陣織伝承の技」(岩波グラフィックス)、「西陣−美と伝統−」(西陣五百年記念事業協議会刊)、「西陣」(白川書院)、「京都西陣織屋町」(駸々堂)など。
Vol 3.  市電
Vol 2.  信心の場
Vol 1.  おかめ節分の千本釈迦堂
懐かしの京を心に  松尾弘子 写真・文
Vol 3. 市電
 京都といえば市電を日本ではじめて走らせた町―――。京都駅前から下の森(北野天満宮前)まで、オモチャのような電車を思い出す。
 一九六一年(昭和三十六年)、最後のチンチン電車(北野線)が廃線となり、さらに一九七八年(昭和五十三年)に、市電は全線廃線となり、京都の町から路面電車は姿を消してしまった。
 昭和五十年ごろ、千本通の夜景を撮ったなかに、市電が走っている風景が残っていた。妙に光るレールと車社会到来のきざしが見える両側のヘッドライトとテールランプ。電車の後を小走りにわたるきもの姿の女性の足袋の白さが、闇の中で時を刻む一瞬!
 商店街の電照の数と、歩道を往来する人々の姿が現在の千本通の静けさと対照的だ。

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