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松尾 弘子
1935年上海生まれ。
同志社大学文学部卒業後、西陣織産地の月刊PR誌「西陣グラフ」の編集に35年携わる。
日本写真芸術協会学会会員、
京都デザイン協会会員。
’97年京都府あけぼの賞受賞。
出版物に「西陣織伝承の技」(岩波グラフィックス)、「西陣−美と伝統−」(西陣五百年記念事業協議会刊)、「西陣」(白川書院)、「京都西陣織屋町」(駸々堂)など。 |
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| 懐かしの京を心に 松尾弘子 写真・文 |
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| Vol
1. おかめ節分の千本釈迦堂 |
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千本釈迦堂は、正しくは「大報恩寺」。本尊が釈迦如来であることからこのように呼ばれて親しまれている。本堂造営の際、棟梁が主柱の寸法を誤ったが、妻の阿亀(おかめ)の助言で事なきを得た。その後、その秘密を守るために、なぜか自害したという。おかめ信仰は災難除け、夫婦円満、子孫繁栄や招福の守り神として知られている。またこの寺の仏像は鎌倉時代の代表的な彫刻で、文化財指定を受けており、境内の霊宝館に安置されている。おかめにちなんだユーモラスな人形も見ることができる。桧皮葺きの本堂の東側には、巨大なおかめのブロンズ像がやさしく微笑んでいて、記念撮影のポイント。
二月三日のおかめ節分の日は、京の文化人やタレントの歳男・女が本堂での法要のあと、豆と餅を撒く。この風景は昔も今も変わらない。変わったのは人々の風俗やファッション。同寺の周りには西陣の織屋や分業の職人さんたちが多くは住んでいる。つい最近まで機音の響く町だったが、今は少し寂しい。ここから北へ上がった鞍馬口通り周辺は、柏野と呼ばれる地区で、平安時代の七野の一つにあげられていて、いまも古い町並みがその面影を残している。秀吉がつくった「お土居」の跡も残っている。寺の山門前には西陣の機道具屋があって、築160年の家の屋根にいまでも機道具類が並ぶ。ぶらぶらと散策するのも面白いところ。
十二月七日・八日の大根焚きは中風(ちゅうぶ)のまじない。厄除けの大根が大鍋に山と煮られ、湯気が立つ大ぶりの大根が一切れずつ振る舞われる行事もある。
大報恩寺(千本釈迦堂)
京都市上京区七本松通五辻上ル東側
電話/075−461−5973
時間/9:00〜17:00
本堂・霊宝館の入場料/一般500円
駐車場/20台(30分無料)
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